祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

たくさんの慈しみ(父の記録)

膵臓がんの父の記録


父は頑張っています。

今日は午後の面会の間ずっと起きていました。


昨日、リラ・プレカリアという

祈りのたて琴で

患者の呼吸に合わせて

詩編を歌ってくださる方が

父の病床で1時間以上も

美しい弦を響かせてくださいました。


私と妹、母とで

父の手をとりながら

静かで美しい祈りを聴きました。


この間は、プライベートタイムの札を

ドアにかけて、誰も訪室しないでもらえました。

こういう気遣いが素晴らしい!


今日は病院で土曜コンサートがあり

緩和ケア病棟のデイルームに

歌を歌う方がみえました。

スタッフさんたちが父のところに来て

コンサート行きますか?と聞いてくださり

父は頷き、移動用酸素に付け替えて

ベッドのまま、デイルームに連れて行って

いただきました。


父と一緒に歌を聴いた後

スタッフさんたちはベッドを病室に運んで

私はデイルームで牧師さんに声をかけられ

緩和ケア病棟に来て初めてチャプレンと

お話できました。

ボランティアさんが綺麗なカップに

ドリップコーヒーをいれてきてくれました。


牧師さんは世代の近そうな女性で

お茶をいただきながらソファでしばらく

お話しました。


緩和ケア病棟に来られてよかったこと

自分の職場も少しずつ緩和ケアのことを

学び始めていること

私は、大阪にある淀川キリスト病院を

一度見学したいことを話したら

牧師さんは、淀川キリスト病院を見て

この道を選んだことを話されました。


私たち姉妹は父の苦悩がわかるので

出来るだけ穏やかな中での看取りを

望んでいるけれど

母は、まだお別れすることが受け入れられなくて

そちらのケアが大変そうなことも

話しました。

牧師さんは、さいごに私ために

祈りをささげてくださり

さらに父のところに行き

私たち家族のことも含めて

祈ってくださいました。

父は牧師さんに小さな小さな声で

63年と言いました。

私から父と母の出会いからの時間ですと

説明しました。

父は母のことを本当に大切に思っているんだな‥‥


牧師さんには家族もいて

カトリックの司祭とは違う

私たちにもう少し近い存在を感じました。


こんな風に多くの慈しみを受け

幸せです。


父を見送る時間が

あたたかな優しい時間で幸せです。

私も今日は父のために

たくさん祈ることができました。


この時間があとどのくらいか

長く過ごせるのか

もうすぐなのか

神様に全て委ねよう


今日も祈りのうちに