祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

眠る膠芽腫

在宅生活を始めて2ヶ月が過ぎました。
障害から介護に移行もほぼ終わり
生活スタイルも整って来ています。


先日リハビリに通院している
もと入院していた療養病院の先生
(最初に脳腫瘍を発見してくれた
脳外科専門の先生です)
から、夫の現在が非常に安定していると
言われました。
手術&治療を行った大学病院の
グリオーマ専門医チームの治療法が
すばらしいので
今後もおまかせして行くようにと
言われました。


膠芽腫のG4と言われたときには
どんなにこわい病気かという不安で
先のことなど考えられない
来年すらないのではないかと思っていたのに
2年が過ぎて、夫は何ごともなかったように
穏やかに毎日を過ごしています。


居宅のヘルパーさんと散歩で立ち寄る
パン屋さんを気に入って
好きなパンを買ってランチにしたり
リハビリの通院の時は
PTとOTの間の空き時間に
修道院を訪れて、集まった皆さんと
お茶をいただきながらお話を楽しみ
障害はあるけれど病気のことは忘れそうなくらい
日々おだやかに過ごしています。


このまま眠っていてくれればいい夫の病気
それでも
「完治」という言葉はない病気なのだそうです。
いつどこで再び目を覚ますのか・・・


そんな緊張感をどこかにしまいながら
今日も祈りのうちに
過ぎてゆくのです

ターミナルにて(父の記録)

膵臓がんの父の記録


膵臓がんの父は
ターミナルとなる病院へ
20日金曜日に入院しました。
この病院のホスピスを希望して
待機していたのですが
17日にMSWより父の様子について
問い合わせの連絡がありました。
その時に、もしよかったら
一般病棟に空きが出る予定なので
まずは一般病棟に入院して
ホスピス入院を待ちませんか?と
言われました。
担当医もホスピスと同じ先生と言うことでした。


父がこの病院の一般病棟に入院する夢を
数日前に見たし、連休中には
妹ともしそういう話があれば
一般病棟に入院してもらうかどうか
話し合っていて、連休明けには
MSWにホスピスの様子をうかがってみようと
思っていたところでした。


祈りが届いた
家族全員が本人も含め、毎日毎日不安の中で
過ごしていたわたしたちを
神さまが救ってくださったのだ
この電話があったことを
私は心から神様に感謝をしました。


電話を切って涙ぐんでしまいました。
妹から父にこの話をしてもらうと
父はすんなり入院に同意しました。
本当に限界と不安と闘いながら
毎日をそれでもいつもとできるだけ変わらずに
暮していた父でした。


入院してナースがアセスメントをとっている間に
担当医の先生が訪室しました。
「〇〇さん、待ってたよ!」が第一声
父は照れ笑いをしながら
「点滴はしないと聞いていたけれど
まだ、もう少し点滴をしてもらえませんか」
と先生に言うと、先生は
「いいよー、毎日する?」といったので
父もその言葉には驚いて
「先生におまかせしますので」
と言っていました。
ホスピス入院の面談をした時には
もう検査や点滴は基本的にしません
と言われていたので
遠慮がちに申し出たのに毎日との返答で
ちょっと驚いたのだと思います。
父の希望が続いているので
一般病棟からの入院でよかったのかなと
思いました。


一般病棟への入院と言うことなので
初日に一通りの検査をするということもあり
血液検査やCTなどを行いました。
担当の先生からは
膵臓にがんがあるだけで、他は本当に
特に困った状態にはなっていないから
もう少しがんばれそうだね、と言われました。
涼しくなったら、好きな広島カープの試合に
言って来てもいいよとまで言われ
ちょっとびっくり
ドクターからの言葉は魔法です。
言われ方によって、心がどんよりすることもあれば
希望の光がさすこともある


父の身体の中にある膵臓がんが消えることは
ないのだとしても
たとえ、膵臓がんがかなり大きいものだったとしても
他が良い状態と言われるだけで
母もほっとしていました。


お部屋も希望していた静かな個室
急性期の病院と違って
時間の流れは穏やかです。


今後は外泊や外出も取り入れながら
病気とお付き合いするという計画のもと
父のターミナルの時間が
できればゆっくりと過ぎてゆくのです。


今日も祈りのうちに

抗がん剤いったん終了

7月のMRIの結果は
特に異常なしでした。
ということでアバスチン治療は10回目で
いったんお休みすることになりました。
アバスチンによる副作用である
高血圧、尿たんぱくが発生する前に
再発がなく10回治療できたことは
大変ラッキーだったということです。


体調に影響なく抗がん剤を一時終了できれば
また再発した際にこのお薬を開始できる
ということなのだそうです。


この病気には完治がないため
どこかでまた再発するという予測のもとに
経過観察と言うことになりました。


今後は2ヶ月に一度のMRI検査を
継続する予定になっています。


7月17日に大学病院を退院して
今後はケアマネさんが作ってくれた
ケアプランにそって
生活することになっています。


退院の日には大学病院内の
カットサロンで散髪をしました。
いつもだいたい入院中にここで散髪しています。


発病して2年2ヶ月
1年2ヶ月目に再発しましたが
それから1年がたちました。
このままこうして
ふつうに過ごしていくように見えてしまいます。
穏やかな日が長く長く
続きますように


今日も祈りのうちに