祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

さようなら ミモザ館

9月2日に予定通りに
引っ越しをしました。
大好きなミモザの木が玄関先の
シンボルツリーでした。
2月の半ばには春を呼ぶように
黄色のお花がいっせいに咲きます。
夫はこの花が咲くと
花粉症が始まっていました。


通りすがりの見知らぬ方も
目をとめてくださるくらい
満開の時はすばらしかった


私はひそかに「ミモザ館」とネーミング
していました。


ミモザ館は、2004年
夫が仕事場と自宅を一緒にするために
注文建築し、たくさんの要件定義がされて
できあがった家でした。
夫は長い間、SE(システムエンジニア)でした。


会社は休眠会社となり
私の勤めているところと同じ法人の
介護施設で、定年を迎えてなお
働いていたところで病気になりました。
介護職をしながらも
得意のシステム設計をして
利用者さんの様々な管理に役立てていました。


引っ越しの時に
もちろん夫は一緒に片付けなどできないけれど
たくさんの過去のシステム関連などの資料が
出てきました。
大量に処分しながら
自分たちは既に人生の後半を生きていて
いちばん活躍していた時代を過ぎたことを
あらためて感じました。


子どもたちの思い出もたくさん出てきた
今より若い夫が小さな息子や娘を
抱き上げている写真がでてきたり
いろんなできごとを思いだしました。


家族4人で生活できる時期は
人生の中でわずかな期間です。
それもそろそろ最後の方に
さしかかっているのかもしれないと思いました。


新しい転居先の家は
お庭がほぼありません。
ミモザを植えたいけれど
大きな鉢でそだつかどうか・・・
荷物もまだ片付かない中
お花や緑をはやくそばに置きたい気分が
片づけを邪魔します。


さあ、気持ちを入れ替えよう!!


さようなら ミモザ館


今日も祈りのうちに