祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

ターミナルにて(父の記録)

膵臓がんの父の記録


膵臓がんの父は
ターミナルとなる病院へ
20日金曜日に入院しました。
この病院のホスピスを希望して
待機していたのですが
17日にMSWより父の様子について
問い合わせの連絡がありました。
その時に、もしよかったら
一般病棟に空きが出る予定なので
まずは一般病棟に入院して
ホスピス入院を待ちませんか?と
言われました。
担当医もホスピスと同じ先生と言うことでした。


父がこの病院の一般病棟に入院する夢を
数日前に見たし、連休中には
妹ともしそういう話があれば
一般病棟に入院してもらうかどうか
話し合っていて、連休明けには
MSWにホスピスの様子をうかがってみようと
思っていたところでした。


祈りが届いた
家族全員が本人も含め、毎日毎日不安の中で
過ごしていたわたしたちを
神さまが救ってくださったのだ
この電話があったことを
私は心から神様に感謝をしました。


電話を切って涙ぐんでしまいました。
妹から父にこの話をしてもらうと
父はすんなり入院に同意しました。
本当に限界と不安と闘いながら
毎日をそれでもいつもとできるだけ変わらずに
暮していた父でした。


入院してナースがアセスメントをとっている間に
担当医の先生が訪室しました。
「〇〇さん、待ってたよ!」が第一声
父は照れ笑いをしながら
「点滴はしないと聞いていたけれど
まだ、もう少し点滴をしてもらえませんか」
と先生に言うと、先生は
「いいよー、毎日する?」といったので
父もその言葉には驚いて
「先生におまかせしますので」
と言っていました。
ホスピス入院の面談をした時には
もう検査や点滴は基本的にしません
と言われていたので
遠慮がちに申し出たのに毎日との返答で
ちょっと驚いたのだと思います。
父の希望が続いているので
一般病棟からの入院でよかったのかなと
思いました。


一般病棟への入院と言うことなので
初日に一通りの検査をするということもあり
血液検査やCTなどを行いました。
担当の先生からは
膵臓にがんがあるだけで、他は本当に
特に困った状態にはなっていないから
もう少しがんばれそうだね、と言われました。
涼しくなったら、好きな広島カープの試合に
言って来てもいいよとまで言われ
ちょっとびっくり
ドクターからの言葉は魔法です。
言われ方によって、心がどんよりすることもあれば
希望の光がさすこともある


父の身体の中にある膵臓がんが消えることは
ないのだとしても
たとえ、膵臓がんがかなり大きいものだったとしても
他が良い状態と言われるだけで
母もほっとしていました。


お部屋も希望していた静かな個室
急性期の病院と違って
時間の流れは穏やかです。


今後は外泊や外出も取り入れながら
病気とお付き合いするという計画のもと
父のターミナルの時間が
できればゆっくりと過ぎてゆくのです。


今日も祈りのうちに