祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

幻覚(父の記録)

膵臓がんの父の記録


膵臓がん末期で入院している父は
2週間目の週末に1泊自宅に外泊しました。
担当の先生の話では
今だったら退院して好きなことをして
過ごせるとき
というのですが、色々と考えて
先生は病人(父)の状態だけをみたら
そう言って励ましてくださるけれど
実際には在宅生活の環境はできていない上
同じ年の80代の母ができることに
限りがあること
父がもともとどこかに行きたいとか
何かをしたいという要望が特にない人で
家でのんびりと自由に過ごすタイプなので
それなら病院での生活とそれほど違いが
ないために、入院しながら
時々の外泊という手段を
いまのところ始めてみようと思います。


それでも父の様子は
オキシコンチン朝夕の定時薬と
オキノームをとんぷくで1時間あけて服用
というように
すでに麻薬によるペインコントロールと
なっています。


麻薬服用で痛みのコントロールはきくのですが
副作用としてのひどい便秘が
つらいようです。
アローゼン、ラキソベロンなどで
排便コントロールもしなければなりません。


先日、父がこんなことを言っていました。
梅干しくらいの小さな猫の顔が
たくさん自分の周りに出てくる
というのです。
これを聞いて妹と
「ずいぶんかわいい幻覚だね」と
笑ってしまいましたが
少し前までは、寝ていたら家にいる
子猫がベッドのそばを
走って横切ったという話をしていて
それは夢だったといっていましたが
今回のネコの顔は
食事中でも現れるというので
やはり、幻覚なのでしょうか。


虫が見えるという幻覚のことは
よく聞きますが
父の好きなネコの幻覚なら
よかったね、みたいな気持ちです。


病院に入院してからは
自己管理ではないペインコントロールが
できるようになって
少し、食事も自宅にいる時よりかすすみ
若干、体重も増えたと言っていました。


日々、どうなっていくのか
わかりませんが
苦しむことのないよう
かわいい幻覚のままで
過ごせるように思います。


記録として記事にのこします。


今日も祈りのうちに