祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

心の療養

療養病院に来て3日目です。
主治医の先生に呼び止められ
入院した日は表情も硬かったけれど
ずいぶん穏やかな表情になって
お話もふつうにできるようになっていて
夜も眠れているということで
眠剤も必要ないと言っているので
きわめて順調です
と言われました。


ゆったりとした時間の中で
これまでなかなかできなかった
本読み(今は小学生向け漢字辞典)も
するようになっています。
お食事もおいしいといって
パクパクといただいている姿をみて
私は胸をなでおろしています。


やはり医療には心のケアが
必要であり、大切なのだと
つくづく思う。
夫の心のいたみ、心の叫びを
受け止めてあげられる環境が
少しずつできてきているようです。


私も前の病院では
夕方仕事帰りに車をとばしていっても
1時間くらいしかいられなくて
あっという間にすぎていく時間の中で
洗濯物を整理したり
ほとんど事務的な連絡みたいな時間に
なっていたので
夫の心の受け止めはできていなかったのだろうと
思います。


寂しさ、つらさ、思いもかけない自分との出会いで
どんなに悲しい気持ちだったでしょう。
死の恐怖、明日への不安
暗闇の将来、自由のきかない環境
自由のきかない自分の身体


どんな人であっても
これを100日間すごしたら
精神的ダメージを受けることでしょう。


今は度々訪室できるし
仕事中で長居はできなくても
アイコンタクトだけでも
夫の瞳の訴えがわかります。


療養病院で過ごしてもらうことは
夫が自宅療養を希望していただけに
私は自分の都合を押し付けているのだろうかと
とてもつらかったけれど
今は少し違ってきています。


少しでも上手に自立した生活ができ、
少しでも長い期間自宅に戻る日も来るように
そして、夫が何か役割をもってできることが
みつかるように
そんな日が来ることを
今日も祈りのうちに・・・