祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

思い出がいっぱい

昨年末より自宅を売却することに決め
売り出しています。
立地条件がとてもいいためすぐに決まるかと
思いきや、なかなか決まらず今日にいたっています。


家を実際に見に来てくださった方は
今のところ3組
先月に見に来てくださった方が
前向きなようなので
もしかしたらご縁があるかもしれません。


家のご案内は不動産屋さんの担当さんがしてくれますが
あらためて、自分の家をひとつひとつ一緒に
見ていると、この家を建てる時のことを
思いだします。
子どもたちはまだ小さくて
長男は就学前の6歳、長女はまだ3歳でした。
子どもたちの成長を考えながら設計し
インテリアも考えていたあの頃
建築中の家を訪れた時の喜び
引っ越してすぐに子供たちは小学校、幼稚園に入り
お休みの日にはお庭にテーブルを出してランチをしたり
夏にはビニールプールも出しました。


二人が楽しそうにしていた庭
季節ごとに木には花が咲き
私たち家族を見ていた


春にはミモザ、初夏にはマロニエ、ヤマボウシ
娘のお誕生日に父から贈られたモッコウバラのアーチ
夏にはブルーベリー、ブラックベリー、ラベンダー
秋の落葉樹、冬は木々の下にひっそりとクリスマスローズ
それほどお手入れもできませんでしたが
好きなお花に囲まれて癒されていました。


今年の1月に初めてこの家を見にお客様がいらして
2月に咲くはずのミモザのお花が激減
最後に見るミモザかもしれないと思っていたのに
なんてことでしょう・・・と思いながら
5月に咲く予定のモッコウバラもほとんど咲きません。
大きくなりすぎてお庭の案内に支障をきたすために
刈り込んだ大好きなラベンダー
この時期にはぐんぐん伸びた花芽が見られるのに
期待できそうにない。
ブラックベリーにも白いお花はついていません。
昨年の夏には夫がいちばん大変な頃
マロニエは枯れて倒れてしまい
仕方なく処分しました。


お花たち、我が家の状況が全てわかっているようです。
玄関には子猫の頃からいたお外ニャンコも来ていますが
この子をどうしよう。


今の私たちの暮らしが
お庭にこんなに正直に伝わっていたことを知りました。


ごめんなさい


ずっと暮らす予定だった家
手離す日は近いのかもしれませんが
思い出がいっぱいある小さなお庭を
忘れないでいたい


今日も祈りのうちに