祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

混沌とした海

今日も仕事が終わってから
夫のもとへ行きました。
今日は長男もすぐ後から来ました。
ここへ来て、よかったことのひとつに
私の職場からも長男の職場からも
5分以内で到着できる場所です。
お昼休みに職場の外へ出ると
夫の病室の窓が遠くに見えます。
あの中で、今どうしているのだろう、と
その窓を眺める‥‥


今日は行くとしきりに
胸やお腹のあたりをさすっていました。
フェイススケール4くらい
眉間にくっきり線が入っています。


お腹痛いの?と聞くと
かすかな返事
膝を意味もなく立てたり
また、身の置き所のない辛さに
包まれているようで
見ていることが苦しい
私もお腹をさすってあげながら
長男は静かにそばに座っていました。


そのうちにしゃっくりを始めました。
訪室したナースに聞くと
ついさっきジクロフェナク座薬を入れたから
まだ効いてこないのかもと
言っていました。


しゃっくりがなんとなく苦しそうです。
帰る時もまだ止まっていませんでした。


ラベンダーオイルを手のひらに広げて
夫の髪をその手で撫でてみる
眉間のシワを
アロマオイルの手で伸ばしてみる
少しだけけわしさが消えたかな
今日もハンドマッサージと
鎖骨もラベンダーオイルでそっとマッサージ
鎖骨は全てのリンパ液が集まる場所で
そこをオイルでマッサージすると
リンパの流れと入れ替えが
アロマテラピー的に良いと
かつてならいました。


家に戻って、しゃっくりについて
検索してみると
脳腫瘍や脳卒中からも
しゃっくりになることがあると
ありました。


そうか
頭の中は今
混沌とした海のような状態かも
日に日に腫瘍という化け物に
侵略されて
壊れて行くのですね


今日も帰り際には
ベッドから手を振ってくれました。
いつまでできるかな
身体の緩和ケアをすすめれば
そのうちに鎮静状態になるのでしょう
そうなると、意思疎通は
できない


今日も感謝と祈りのうちに