祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

施設見学

26日(月)に高次機能障害者支援ホームの
見学に行ってきました。
自分の住んでいる地域にこのような施設が存在して
いたことを何年も知らずにいました。
これまでもこの施設の前の道路をよく通りましたが
自分に関係して初めて知った施設です。
それも、ここにたどりつくための道は
暗中模索??みたいな
かんたんなルートではありませんでした。
正しい言い方かはわかりませんが
隠れて存在しているようなところです。


今の自宅からでも自転車距離内なので
車でもあっという間につきます。
午前に行けば作業もお風呂などの環境も
見ることが出来ると言われて
10時少し前に行きました。


だいたい平日の午前と午後に分けて
機能訓練のプログラムがスケジュールされています。
PT、OTに関しては
1:1ではなく、それぞれ自主的に訓練する中に
スタッフが全体を見ている感じでした。
それとともに外出訓練もやっていて
200メートル500メートルと
徐々に距離をのばして訓練するようになっていました。
現地までいったら電話を入れるシステムで
この外出訓練は多くの厳しいチェック項目があり
ハードルはけして低くはしていないようでした。
最終的には駅まで行って電車に乗ったり
バスに乗ったりするようになれる人もいるそうです。


トイレも右麻痺、左麻痺とどちらの対応もできるような
手すりのつき方がさまざまな様式になっていたり
お風呂も見守りで基本自分で入るように
なっていました。
初めての時はもちろん、スタッフがついて
様子を教えてもらえるそうです。


お部屋は基本的に2人部屋で
真ん中でカーテンの仕切りが付いていて
奥にベッドがあり、手前には本を読んだり
パソコンもできるデスクが備わっていました。
パソコンやテレビなどの持ち込み可で
インターネット環境も備わっているそうです。
パソコンを使って自分のやってきたものが
どこまでわかるかを知りたいというのが
夫のたっての希望なので
この環境があるのは嬉しい限りです。


古い建物(昭和45年)ですが
それだけにお部屋や廊下は広々とできていて
狭苦しい感じはありませんでした。


食堂はお庭に面していて
窓から葡萄棚が見える明るい感じでした。
配膳はセッティングしていただけるそうです。


さいごに見せていただいたお部屋が
アパートの1室を想定して作られたお部屋で
ドアには鍵もあり、玄関に段差もあるつくりになっていて
訓練の最終段階に来ている人で
アパート暮らし(主に独居など)をする人が
数日間このお部屋で一人で暮らす練習を
するようになっていました。


そのほかに、お金やお薬管理などの訓練
お洗濯を自分でするなど
病院のリハビリとは全く違った
実生活に即した訓練が考えられている施設でした。


今入院している療養病院も
建物は古くても隅々まできれいな病院だし
治療で入院する大学病院も
新しくてきれいな病院だったので
そこに比べるとこの施設はとても古びて見えましたが
内容は本当に在宅に移る前のステップとして
申し分ないと思いました。
利用者の方も年齢層が40代~50代くらいの方が多く
やはり脳の病気は男性が圧倒的に多いように
思いました。
見学中も通りすがりの利用者さんが
「ここはスタッフもとても親切ですよ」と
声をかけてくださり
きっと同じような病気で障害を持つことになった
利用者さんが、ひとりひとり目標をもって
頑張っている姿をみて刺激になるのでは、と
思いました。
不自由をどんなふうに克服しているかなどの
分かち合いが出来れば
夫も前向きに頑張れるように思います。


帰りには申請書類をいただけたので
病院に持ち帰り、MSWを通して
ドクター、ナースに書いていただいて
できあがったら施設に持っていくことにしました。
今日はそのための各検査をしています。


本人は不安もたくさんあるようですが
それは病気がいつまた再発するかも含めて
常につきまとう不安でもあるので
この安定している段階に
少しでもQOLを高められることを
考えて行こうと励ましています。


今日も祈りのうちに