祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

1月の治療と検査を終えて

アバスチン7回目とMRIのための

入院を終えて、13日退院し

施設に戻りました。


退院の日にICがあり

毎回MRIの結果をドキドキしながら

聞くのですが

今回も特に変化なしということで

先生からこの言葉が出ると

胸をなでおろすような気持ちになります。


アバスチンによる副作用の

高血圧や蛋白尿も今のところなくきているので

体調が良いところでアバスチンの間隔を

1カ月から2カ月にすることになりました。

先生の計画では2カ月ごとを3回、半年続けて

一度終了にして経過観察をするということでした。


終了する日が来るのか!

と、困惑混ざりに質問してみると

先生から面白いたとえで説明されました。


ボクシングで右からばかりのパンチが打たれれば

当然、右をガードするようになる

これは相手に予測させてしまい、次をよまれてしまう

同じことを続ければそうなるが

別な攻撃があれば、そこに油断があり

右パンチと思いきや、キックが入れば

そこにダメージができる

というような方法です、と。


つまりは長きに渡り

同じアバスチンの治療方法では

副作用も出て来る上に、病気も賢くなって来るという

ことのようでした


脳腫瘍は

ずっと残り続ける病気なのです。

夫の頭の中に

息をひそめているということなのです。


他に質問はありますかという問いかけに

夫は頻尿について聞いていました。

最近、頻尿なのだそうです。

特に副作用ではないと思われるから

次回に泌尿器科の受診をオーダーしてくださいました。

年齢的に前立腺肥大かもと言われました。


それともうひとつは

この頃、忘れていたことが思い出せることが

あるというのです。

夫は、腫瘍を摘出したことで脳の一部が

損傷、損失したため

記憶も消されたと思っていたのに、と先生に話すと

記憶は残っていても、それを引き出す力が

よわくなっていたのが

だんだんと強くなってきたのでしょうと

言われました。


手術し、右麻痺にまでなり

失ったものに意気消沈していたけれど

1年前の夫とは違うということなのだ

今は前を向いて

左手でかなり文字を書くことができるようになり

自分の能力を上手に使っている

このことを考えると

脳腫瘍の治療にメンタルケアの大切さが

よくわかります。


どんな病気でもそうかもしれないけれど。


ちなみに脳外科の先生は

両手が使えないと手術させてもらえないのだそうです。

まずは利き手以外の手でお箸をもつ練習を

するのだとか。


脳外科のドクターのハイレベルさに

またしても頭が下がりました。


主治医の先生のICはいつも

励ましが感じられます。


今日も祈りのうちに