祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

2020年1月の記録

私達家族の大切な友の記録


私達家族と妹家族、実家の親
(亡き父を含む)にとって
20年以上の長い間家族のように
親しくしていた友人が今月11日に
他界しました。


彼は学生時代から東京暮らしをしていて
人生の半分以上が東京でした。
私達との出会いで、夫の仕事の協力者となり
会社兼自宅のあった場所の近くの
マンションに越してきて約20年
ここ数年は地方にいる高齢の親元に戻って
仕事をしながら月に1~2回は東京に来る
生活をしていたけれど
東京のマンションは引き払わずにありました。
故郷へ戻って生活することを
決意をしていたわけではなかったようで
時々やってきては、私たちと会っていました。


そんな友人が突然のように亡くなり
当然、故郷の地で納骨の準備となっています。
東京のマンションの部屋を引き払うのに
兄弟が業者を呼んで全て処分するというので
私達はその部屋を先週たずねて
写真や、スキー、子供たちは一緒に遊んだという
ゲームなどを引き取ることにしました。
長きにわたって、また
子どもたちは生まれた時から大人になるまで
関わってきたこともあり
次々と想い出が蘇ってきました。
同時に自宅に保管してあったアルバムを出して
思い出をたどってみたりして
私達は空虚な心を慰めていました。
数々の写真の中には、元気な頃の夫や
小さな子供たち、本当に過ぎ去っていった
歴史が見えるようでした。


そして、今日いよいよその部屋が明け渡されます。
夜中の雪が雨になり
長年住んでいた友人の部屋は
すっかり空っぽになるのです。
2日も続けてこの部屋の夢を見ました。
友人が今も生きていて
田舎に帰るから部屋を引き上げるといったら
それも寂しかったと思いますが
今は当の本人がいない中で片づけていることが
いっそう、寂しさを増しています。


友人は敗血症ショックから
何度も危機を脱したのですが
最終的には命を落としてしまいました。
敗血症は4人に1人は亡くなるという病態
呼吸ができず、腎機能も肺機能も働かなくなり
血圧低下、チアノーゼ
こんな素早いスピードで全身が壊れて行くものなのかと
不思議に思うくらいのできごとでした。
大学病院の高度救急救命センターでの治療だったのにも
かかわらず、その命は旅立ってしまったのでした。


12月の初めには電話やメールで話していたし
色々な先の予定なども一緒に考えていました。
あまりにも覚悟をする時間もなかった
ほとんど病気をしたこともない人だったから
こんなに早くお別れすることは
夢にも思っていませんでした。


今日で東京にあった友人の暮らした歴史も
ピリオドです。
友人はさいごのさいごまで
夫の会社の名刺を持ってたことがわかりました。
故郷での仕事の時も
夫の会社名と〇〇営業所と自分の故郷の地名を
使っていたそうです。


人生でこんなにも大切な友に会えたことに
あらためて感謝したい
そんな思いから、夫の病気の記録のブログに
この事実を残すことにしました。


今日も祈りのうちに