祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

ギフト

母の闘病記録


ずっと気になっていた本がありました。
「シスターヒロ子の看取りレッスン」
著者のお母様がさいごに過ごされた
ホスピスで出会ったシスターに
支えられながらお母様をお看取りされた
お話です。
ホスピスでの普通の入院とは全然違う日々のこと
シスターからいただいた数々のメッセージ
ご家族の様子など
読んでいると、私たちの今に重なることも
たくさんあります。


その中に
亡くなる人からギフトをいただく
という言葉がありました。
この言葉がとても印象的です。
私も母のそばにいながら
たくさんのギフトを受け取っているように
思うのです。


母はいつも誰かのためにすることを
考えている人です。
もちろん、わがままもあるし
自立が難しくなった今でも
私たちの介助を受け、私たちと一緒にいたいという
強い思いがありますが
介助する度に必ず「ありがとう」を忘れないし
病床にあっても笑顔で帰るときの私に
手を振ってくれる
食事の時も、みんなで分かち合うことを考え
昔の主婦だった頃のように
食卓のものを皆に勧めてくれます。


母の生きる姿から
多くのものを受け取っているのです。


昨日は夜帰る時には
母はもう、眠っていました。
廊下からそっと見ると
赤ちゃんのような寝顔でした。
母の肉体とはもうすぐお別れですが
母の魂はずっとこの家で、私たちのなかで
生き続けるのでしょう。


母の娘で、本当によかった
母からのギフトに心から感謝です。
そしてこの時間を私たちに
ギフトとしてくださった神様に
心から感謝します。


天国にいったら私の夫にも
よろしくね
私たちは元気にしていると
伝えてね


今日も祈りのうちに