祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

父の記録〜広島へ

2018年9月に帰天した父の記録


3月21日

大きな壺に納められた父を連れて

お墓のある広島へ行ってきました。

いよいよ父を納骨するためです。


もう少し実家にいてほしかったけれど

母が両親も眠る広島のお墓に

連れて行かないと、と言いました。

広島のお墓は爆心地にあり被爆したお墓です。

父はまさに爆心地に住んでいたのでした。


晩年は広島まで行くこともなくなっていた父でした。

18歳で東京に出て以来、東京暮らしでしたが

生前から東京にお墓を持つつもりはなく

広島のお墓に入ることが道筋のようだったので

妹とお寺に連絡してその段取りにしました。


納骨は第二の別れであるとの住職さんのお話に

私たちは義務を果たしに来たのに

父だけ遠い地において帰らなければならない

悲しみがありました。


こうして

父は65年ぶりに再び広島の人になったのです。


今日も祈りのうちに