祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

夕暮れに向かう

夫はこのところ
ADLが落ちてきています。
先週末にケアマネさん訪問の時に
介護保険の区変を提案されていたので
様子を見てもらいました。
やはり、落ちていると


言葉の出にくさも
杖歩行の足取りも
明らかに落ちている
昨年は区変が上がらず、取り下げたけれど
今回は通ると思うので
希望のサービスについて色々
相談しました。


今は月、金、土曜で1日のデイサービス
火、水、木は在宅でヘルパーさんに
お昼ご飯と、障害の方の時間を使い
散歩をお願いしていますが
最近は距離を歩けず、自宅の周りだけとか
全く行かれない日も出て来ました。


これ以外に水曜日にSTのリハ
木曜日には、在宅マッサージも
入れています。


プランの見直しの中では
麻痺側の痛みのリハ
訪問看護
自宅内の手すりを増やすなども出て
手すりに関しては
片麻痺の場合、歩行の往復を考えると
片方だけつけても意味がないので
難しいということになり
自室からトイレまでの動線を
できる限り短くするのが良いと言われて
そこにある背の低い食器棚を
移動することになりました。


移動すると言っても
けして広くはないリビング内で
どこに持っていくか
2階も置くところはないし


考えたあげく
リビングの窓をひとつつぶすことに
なるけれど、窓の前に移動しました。
この中にあったあまり普段使わない食器を
キッチン側にある大きな方の食器棚に
出来るだけ入れてみると
小さい方の食器棚の一段が空き
手芸用品などをしまい
それはそれで、悪くない感じに
なりました。


これをしたのが昨日の土曜日


その前の水曜日に
仕事中にヘルパーさんから連絡があり
体調が悪そうで昼食もとれず
寝ているということで
急遽、午後から休みをもらい
家に戻りました。
夫は眉間にシワを寄せて寝ていました。
麻痺側の痛みが辛いといいます。
でもそれ以上は、どうしたいか
病院に行くかどうか
言葉にすることができない様子
表現や意思表示が
今はもうあまりできません。


午後中、私は何も出来ずに
隣の部屋でただ時間がすぎて行きました。
食事はとれずに
かろうじてトイレに起きるだけ
ヨロヨロ歩く姿を見守り
近所の病院に連絡するか
せめて痛みだけでもとってもらえないか
スマホを片手に何度も連絡するか迷い
夜になってしまいました。


たぶん大学病院に連絡しても
以前もそういうことあったけれど
麻痺側の痛みに関しては
病気のせいではないからという答えだったから
それなら、大学ではなく近所で往診で
痛み止め対応してほしいと思ったけれど
目の前にクリニックがあるのに
かかったことがないから
突然の対応は無理だろうと思った


翌朝、私は午前中は出勤しないと
ならなかったのでとりあえず出かけ
午前中にケアマネさんに事情を連絡
ケアマネさんはすぐに24時間対応の
在宅医に繋げてくれるということになって
そのためには大学病院主治医の紹介状を
ファックスでいいので必要ということで
大学病院に連絡したのです。


来院できますかと聞かれたので
午後から行くことにしました。
このまま食べられないと
脱水が心配でした。


夫を連れて大学病院に行くと
取り急ぎ、血液検査やCT、肺のレントゲン
その後診察でした。
主治医の先生はいつものように親切に
検査のデータ上では大丈夫だと言い
脱水も見られないし、肺もきれい
CTでは見られない小さな脳梗塞とかも
考えられるけれど、1週間後が定期の
予約日なので、そこでMRIを撮るからと
言われました。
麻痺側の痛みについて
ロキソニンでは効かないというと
神経痛の薬を増やす方法もあるけれど
薬が多いのと神経痛の薬は即効性はないと
いうことを言われたので
今飲んでいるデパスを2錠にしてもいいか
聞いてみたら、それでもいいですよと
言ってもらえて、それで様子をみることになりました。


実は自分が頭痛のひどい時に
セルシンの点滴とか
デパスを処方されて効き目があったことを
思い出しました。


さらに今後を考えて在宅医の準備も
必要になってきたと判断があり
MSWさんとケアマネさんで連携して
決めていくということにもなりました。
夫は、信頼している主治医と話せて
安心したのか、帰りに病院の
コンビニでお蕎麦のお弁当を選び
帰宅して、きれいに食べてくれました。


ADL低下が精神的にも
こたえているのだと思いました。


大学病院でできるところまで
治療を望んでいる夫ですが
そろそろ在宅医に緩和ケアも
同時進行してもらいたいと思います。
夕暮れに向かっても
新しい朝がやって来るかもしれないし
このまま日没して朝は来ないかも
しれない
でも今を生きている


今日も祈りのうちに