祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

大学病院卒業

いよいよ、数えきれないほど通った
大学病院卒業の日
数々の思い出が脳裏をかすめる
信じられない病気がわかって
信じられない覚醒下手術を受け
HICUで術後の夫を見た時
二度と元には戻れないのかと
祈る言葉さえ忘れたあの時
約3か月、治験とリハとそして
夫のスピリチュアルペイン、障害受容できない
苦しさに必死に寄り添い
毎日、職場から1時間ほど運転して通った場所
何度も再発の言葉を聞き、今度こそか、、、
という恐怖と闘ってきた


こんなにもあっさりと
長くお付き合いした主治医の先生とも
会えないままのお別れ
でも、卒業なのだ


初めて乗った介護タクシーは
救急車のように緊迫感はないし
ストレッチャーで乗った夫のすぐ隣の
座席で、これまでのこと
これからのこと、思い巡らせていました。


連休前で道は混んでいたけれど
連休前の転院で本当によかったです。
お休みの間、何もできずに悶々と過ごすところが
これから何をもって会いに行こうかと考えています。
そうだ
「子どもの聖書」にしよう
絵もあるし、一緒に見られる


転院先の緩和ケア病棟は
父の時からの穏やかな師長さんで
お迎えに出てきてくれました。
一応抗原検査を受け、陰性を確認し
病棟に入りました。
担当看護師さん、先生も、そして
緩和ケアのチャプレンの女性牧師さんも
あたたかなお出迎えにお部屋まで来てくださいました。
チャプレンさんとは父の時以来、
クリスマスカードや時々メールなどで
つながっていたので
本当に深い神様のご計画を感じました。


不思議とホスピスに来た悲嘆のような感情は
ありませんでした。
人々とのふれあいを感じるのか
夫も笑顔も出て、嬉しそうでした。
長男も仕事の合間に来てくれて
担当ナースがさっそく夫を囲んで3人の家族写真を
撮影してくれて、娘さんが来たらまた撮りましょうと
言ってくれました。
どうして同じ病院という場所なのに
こんなに空気が違うのだろう


コロナ対策で、父の時に息詰まった気持ちを
癒してくれたおうちのようなリビングも
今は使えないという説明でしたが
そのソファに座り、看護師さんから
色々な説明やお話、緊急時のことを
聞きました。
最後に着る服や、葬儀屋さんのことまで
お話ありましたが、素直に耳を傾けられる
優しい言葉で、その都度話し方が気に障ったら
すみませんと言ってもらえて、でも
全くイヤな気持ちにはなりませんでした。


お看取りを絶対にしたいかという質問
父の時にもありましたが
できれば側にいたいと思うけれど
急変時、予期しないことなどは
その限りではないと伝えて
長男も同意していました。
お泊まりも考えていますかと聞かれて
そうできる時は、そうしたいと言うと
出来るだけ早い判断ができるように
ご連絡しますねと言ってくれました。


父の時はさいご、お泊まりのつもりで
家族室を借りましたが
夜を越さずに日が落ちた頃に永眠したので
お泊まりはしなかったけれど
そのリビングダイニング付きの和室で
妹や子どもたちと軽食をとったり
足を伸ばしました。


ここに来られてよかった
多くの方からの祈り
神様のはからい
全てに感謝したい


新展開の始まり
時間は短いかもしれませんが
最終章再出発
在宅ケアはできませんでしたが
さいごまで、真心を捧げていこう


今日も 感謝と祈りのうちに