祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

疼痛コントロール

夫はさいごまで
痛みを訴えることはありませんでした。
脳腫瘍も様々な症状があるようですが
夫の左側頭葉神経膠腫では
痛みも吐き気も頭痛も訴えは
一度もありませんでした。


癌性疼痛は本当に辛い痛みと聞いていて
そのために緩和ケアの医師たちは
麻薬の調整を上手にしてくれます。
今は一昔前のように
激痛を訴える患者に
モルヒネを打ちながら
時間をあけないと打てないですとか言いながら
苦しむ患者をなだめるといったこともなくて
テープだったり舌下錠だったり
水薬だったり
また、徐々に効いてくる徐放性というタイプ
即効性のあるレスキュータイプ
それらの組み合わせで
疼痛コントロールがなされています。



母の闘病記録


母は昨日から
容態が変わりました。
寝たきりの段階です。
食事もできず、かろうじて飲み物だけは
少しずつ摂取している状況


今日は入浴日でしたが
昨日のうちに清拭に変更
入浴も週に2回だったのを1回にしようと
妹と相談していました。
朝はよく眠っていて、私も3時過ぎに寝たので
7時半くらいに来た薬局からの電話で
起きました。
昨夜は連絡がつかなかったというミスを
薬剤師さんが謝罪していましたが
痛みを堪えている患者からすれば
何のために24時間対応の薬局にしているのかって
薬局の信用度に関わります。


追加でジクトルテープと
プレガバリンOD錠
デカドロン錠が来ましたが
錠剤はもう飲める感じではなく
お昼頃に臨時で呼んだ訪看さんも
昨夜の麻薬が多すぎて
呼吸が1分間に10回と少ないですと
言われました。


その時に妹が看護師さんに
姉(私)は母が痛いと言うとすごく気になるのですが
自分はそこまで激痛とは思わないのです
姉が不安に思っているので
姉にわかるように説明してほしいと言いました。


看護師さんは麻薬で疼痛をとることで
呼吸抑制につながり
会話もできなくなったり
あるいはせん妄が出たりすることがあるが
在宅での看取りでは痛みの抑制をとるか
出来るだけ呼吸に影響しないように
会話のできないような状態を避けるか
その選択になると言います。


私はガン患者の疼痛と身体のつらさを
できる限り取り除いてあげることが
緩和ケアなのではないかと考えていて
そのためには眠らせてあげることもありと
思うのだけど
妹は、もっとナチュラルで良いと
痛みのことばかりにとらわれず
さすって気持ちいいといってくれたり
誰かに関わってほしいと思っていたりも
あるから、と言います。
「てあて」という本来の意味を
強調するのです。
在宅だからこそ家族がめいっぱい関われるという
あたたかさがあるのは理解できますが
痛みの緩和はやはり私にははずせません。


今日は1日、母が痛いと言って
身体をよじるようにしていても
レスキュー薬は使用しませんでした。


私は辛くて、1人で車で外へ出て
コンビニの駐車場で泣きました。


お母さんはもう頑張らなくていいよ
安楽にしてあげたい
触れば今はあたたかな体温がある
夫の時も、この体温がなくなってしまうのだと
思いながら、ハンドマッサージをしました。
本当に永眠した夫の身体は
冷たかったです。
母のこともアロマでハンドマッサージを
しています。


今日の夜は妹と旅立ちに着る母の服を
選びました。
よく買い物をしたデパートのお気に入りショップの
グレーに少し柔らかなラメの入った
アンサンブルのトップスと
ボトムスは腹水のお腹のために
今使っているマタニティ用のベージュのズボンに
しました。
お腹を隠してあげるために
薄いピンク色のニットのショールを
使おうと思います。
先に旅だった父のハンカチと
母のハンカチを一緒に持たせてあげよう
きっと父がやっと来たねって
お迎えに出ていると思います。


さようならの日は近い


今日も祈りのうちに