祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

感謝と祈りのうちに

8月3日 夜に
夫は天に旅立ちました。


さようならは思ったより
早かった
ホスピスに来てからは
ゼリーやアイスクリームを
食べていたし、言葉は出なかったけれど
私たちの話にはうなずいてくれていた
帰るときには手も振ってくれて
また明日ね、といつも声をかけて
帰りました。前日もそうでした。


3日はいつものように仕事帰りの
5時半くらいに、病室を訪ねると
看護師さんが、今日はお昼のゼリーで
むせこんでしまって
酸素つけていますと言われました。
夫のそばに行き、呼んでみるも
目は開いているのにほとんど
反応してくれません。
いつものようにラベンダーでハンドマッサージや
鎖骨、耳の後ろ、足も
軽くマッサージしました。
夫は早い呼吸で目を開いたまま
うなずくことも瞬くことも
しませんでした。
ユーチューブで聖歌を何曲か
一緒に聴きました。


面会制限時間の1時間になり
また明日来るからね、と
声をかけてもうなずきも手を振ることも
ありませんでした。
まだ留まりたい気持ちのまま
ステーションで面会票を出すときに
再び担当看護師さんに声をかけられ
誤嚥だけではなく、もう一段階
すすんでいるように思えます。
もしかしたら、夜中にお電話するかも
しれません、と言われました。


今日、ここに泊まらなくても
大丈夫ですか、と聞きたかったけれど
その意志は、初めに伝えてあるし
大丈夫かなと、いったん帰りました。
病院のすぐ近くのコンビニに
立ち寄っているときに病院から電話があり
今日はお泊まりの準備をして
来たほうが良いかもしれません
できますか?と聞かれて
一度帰ってから行くと1時間ちょっと
かかります、大丈夫でしょうか、と聞いたら
何とも言えませんが早めがいいと
思いますと言われたので
すぐに病院へ戻ることにしました。


長男も長女もすぐに来てくれて
家族みんなで、夫のそばで見守りました。
看護師さんが、家族室を提供してくれて
ダイニングと和室のお部屋で
交代で軽食や飲み物をとりながら
9時をまわる頃、呼吸の音が
少し小さくなってきたのでナースコールをし
看護師さんは、そうですね、お別れが近いかもと
言いました。
それからどのくらいしたでしょう
ずっとずっと、夫の呼吸を見て
時々呼びかけて、、、
そのうちに呼吸が時々止まってはまた戻り
長く止まってしまい
呼ぶとまた息をして
そして呼吸は戻らなくなり
ナースコールして、看護師さんもしばらくそばにいて
夫が大きなあくびのような呼吸を一度して
静かに物語が終わりました。


このままご家族で、と
約1時間くらい私たちは家族ですごしました。


本当にもう起きることはないのかな
うっすらと目は開いています
まだ温かい
いつかこの日がくるとは
覚悟していた
神様のもとへ帰ってしまったのだとも
わかる


でも
でも
でも


行ってしまいました