祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

今日という日

わたしの過去、

それがわたしを悩ますことは、もはやない

それはすでに神の慈しみのうちにある


わたしの将来

それがわたしを悩ますことは、いまだない

それはまだ神の摂理のうちにある


わたしが心がけねばならないのは、

いま、ここ、今日という日

しかし、それも神の恵みのうちにあり

わたしが自分の良き意思を

お捧げすることにかかっている


聖フランシスコ・サレジオ



今日からお食事が減ったせいか

昨日より、夫の様子はよさそうでした。

いただいたハウスみかんを持参していたので

食べてみるかきいたけれど

やはり食べたくないと言われました。


子どもたちの様子や

今日の点滴やリハのことを聞いたりして

あっという間に帰る時間になりました。


今日は雨

夕暮れは暗い雲が落ちてくるようでした。

病院を出る頃には

夜のとばりに包まれながら

小雨にけむるいつもの道を

一人で運転して帰りました。


7月21日、木曜日

2回目の点滴(確率1/2のニボルマブ)終了

神さまのご計画

夫の体調の悪い状態は続いています。

夜たずねると、夕食はもう終わって下膳されていましたが

あまり食べられなかったと言っていました。


明日から少なめのお食事に変更してもらうことになりました。

実際、嘔気があったりするまではいかないみたいですが

いつもめまいのようなグラグラした感じのようです。

主治医の先生がつわりのような状態に近いかも、と

言っていましたが(男性の先生なのですが・・・)

なんとなくわかるような感じです。


説明を聞く限り、貧血の時のような

めまいのする気分の悪さ

夫に様子を聞いてみると、今はそんな状態です。


今日は、デイルームまで行かれるというので

面会終了時間まで、話しました。

私たちは病気になる前までは

あまり会話のない夫婦だったので

病気になってから、ここ数年分くらいの

会話をし、二人でいる時間を過ごしています。

いつからかお互い干渉しなくなり

それぞれの時間を過ごすようになっていたので

こんなふうにして一緒の時間を過ごしている日々が

再びもどってきたことに

ある意味病気に感謝かもね、なんて

話もしました。


病気になった本人のつらさは計り知れないものですが

これも神様のご計画のうちで

私たちにはこのことをのりこえなければならない意味が

あったようにも思えます。


未信者の夫も

同じことを考えていたようでした。


明日は2回目の点滴です。

確率50%のニボルマブ

この点滴がニボルマブであることを信じたい。


神様、どうか私たちをおまもりください。

経過

放射線照射とテモダール服用を始めてから8日が過ぎました。

昨日は数人の面会でふつうに楽しそうにしていましたが

今日夜尋ねてみるとかなり不調でした。


夕食の時間だったのですが

ベッドにだらりと座ったままで

ふらふらするし食べたくないと言って、うつろな表情でした。


夫はもうずっと欠けてしまった右上の視野が

とても煩わしいようで、毎日のように

よく見えない、焦点が合わない、と言っていましたが

今日も焦点が合わないからフラフラする、といいます。


視野のせいなのか、テモダールの副作用のせいなのか

放射線で体調が疲労しているせいなのか・・・

わかりませんでしたが、とりあえず夕食をもう少し後にして

少し横になるように促しました。


もうずっと数日の間、食事が運ばれてもおなかがいっぱい

おなかが苦しい感じがする、と言い

それでも、食べないといけないという義務感みたいなものから

食事をほぼ完食してはいたのですが。


しばらくしてから、食べないといけないからと

おきあがって、無理やりのように食べ始めました。

無理しなくていいよ、と言ったら

7割くらいでごちそうさまになりました。


食後にルルドの奇跡のお水とラベンダーを混ぜて

麻痺側の手足をマッサージしました。


やはりテモダールのせいなのかもしれません。

このお薬を始めてから、食後のデザートタイムも

できなくなってしまいました。

体調がすぐれないと気持ちも後ろ向きになるのか

言葉もうまく出てこなくなり

こんな自分につきあわせて悪いとか

生きている価値があるのかとか

そんなセリフもでてきます。


私は病気を持ちながら記事を綴っている

前向きなブロガーさんたちのことを話しました。

若い人もいるし、子育て中のおかあさんもいる

働き盛りの男性や、将来がたくさんある若者も

みなさん、できる限り普通の生活をしながら

苦しみも悲しみも心にかかえているよ、と。


欠けてしまった視野がなおることはないと

何度も説明しているのですが

どこまでわかってくれているのでしょう。


明日もう少し元気になってくれていたらいいのですが。


夏の日の夕日が病室の窓から沈んでいきました。