祈りのうちに

夫の突然の脳腫瘍、物語を書きかえながら、すべてを受け入れる
日々をつづりたいと思います

入院から3週間(父の記録)

膵臓がんの父の記録


膵臓がんの記録の方が多くなっていますが
脳腫瘍の夫はきわめて落ち着いています。
病気であることを忘れてしまうくらい
日常生活が今は安定しています。


父は10日金曜日の夜から
今回は2泊の外泊をして自宅で過ごしました。
好きな食べ物を食べ
危ないとはわかっていながら
夜は2階にある自分の寝室で寝ました。


「危ないからやめた方がいい」
とは、もう私も妹も言いません。
病院から外泊用に渡された薬も
自分で管理をしたい父から
麻薬のことがあるからこちらでするからとも
言いません。
服用した時間の記載、使った薬の袋を捨てずに返す
など、病院からの指示がありますが
父が自分でできるかぎりのことをしたいと
思っている限り
そうさせるしかないと思っています。
父はゆらゆらした文字で
一生懸命に書いているのですから。


昨日、主治医の先生に会った時に
また薬を増やした話を聞きました。
朝晩の定時薬(オキシコンチン)を増やしたそうです。
理由は、頓服薬のオキノームの回数が多いので
定時薬を増やすことにしたと言われました。
先週末から、麻薬による便秘のための薬が
追加になりました。
オピオイド誘発性便秘症治療薬の
スインプロイク錠です。
これはオピオイド鎮痛剤を用いた疼痛管理を
行う上で、オピオイド誘発性便秘症で困っている患者の
QOLを改善する治療薬です。


この効果が効いているのか
はっきりとはわかりませんが
父はお腹のハリによる痛みなどが軽減したと
言っていました。


今後は麻薬の量が増えていくたびに
眠る時間が増えていくかもしれません。


毎日、仕事の帰りに父のいる病院へ行きます。
職場からは歩いて行かれる距離です。
夏の夕暮れに、父の病室を訪ねる
2018年の夏
父は83歳です。


今日も祈りのうちに

疼痛ケア(父の記録)

膵臓がんの父の記録


膵臓がんの父は
7月20日の入院以降は
定時薬で服用していた朝夕のオキシコンチン以外に
頓服薬とでのオキノーム服用を始めていました。


オキノームは入院前より処方されてはいたのですが
父が麻薬が増えることをこわがっていたのか
どうも、痛みをある程度がまんしていたようでした。
年代的に、病気をペインコントロールすることの
意識があまりないようで
痛い時もできるだけがまんするというような
気持ちだったのかもしれません。


でもオキノームの服用をはじめてからは
痛みがコントロールされてきたのか
自宅にいたころより食事量もすこし増え
多少元気もでてきたように感じました。


この頓服薬は1時間あければ
何度でも服用できるということになっていて
どれくらいの頻度で服用しているのかは
わからなかったけれど
1泊の外泊時に22包も出たので
かなりの頻度で服用していることがわかりました。


昨日、仕事が終わって父の病院へいくと
ちょうどエレベーターで主治医の先生に会い
先生から、「薬増やしました」と言われました。
朝晩定時のオキシコンチンが増えたのでしょうかと
聞くと、定時薬も頓服薬もどちらも増やしたと
いうことでした。
痛みは確実におそってきているようです。


そのことは本人もかなり素直に受け入れたということで
痛みを抑える必要を本人も感じているのだと
わかりました。


初めは麻薬服用により、ひどい便秘になるから
あまり飲みたがりませんでしたが
便秘も下剤各種使うことで
上手にコントロールできるようになったみたいで
痛みを抑えることを優先しているのだと思います。


先生はオキシコンチンもオキノームも
倍量にしたと言っていました。


病室に行き父からその話が出ましたが
倍量の薬を服用したら、すごく眠気に襲われ
眠気とだるさで困ったと言っていましたが
少し寝て起きたら今度はすっきりして
リハビリをベッド上でマッサージしてもらい
そのあと、気分良く便通があったと
気分良さそうに答えていました。


夕食を食べ始めた父に「また明日」といって
夕闇の病院を出た時に
いつか見た、この病院のこの出入り口で
ひっそりと職員がお見送りで家族に
頭を下げていた姿を思い出し
父にもそういう日がくるのだな・・・と
目を閉じて横になる父が頭に浮かびました。


さいごの病院
さいごの先生


父と過ごす残された大切なさいごの時間


できるだけ平穏に過ごせますように
今日も祈りのうちに

幻覚(父の記録)

膵臓がんの父の記録


膵臓がん末期で入院している父は
2週間目の週末に1泊自宅に外泊しました。
担当の先生の話では
今だったら退院して好きなことをして
過ごせるとき
というのですが、色々と考えて
先生は病人(父)の状態だけをみたら
そう言って励ましてくださるけれど
実際には在宅生活の環境はできていない上
同じ年の80代の母ができることに
限りがあること
父がもともとどこかに行きたいとか
何かをしたいという要望が特にない人で
家でのんびりと自由に過ごすタイプなので
それなら病院での生活とそれほど違いが
ないために、入院しながら
時々の外泊という手段を
いまのところ始めてみようと思います。


それでも父の様子は
オキシコンチン朝夕の定時薬と
オキノームをとんぷくで1時間あけて服用
というように
すでに麻薬によるペインコントロールと
なっています。


麻薬服用で痛みのコントロールはきくのですが
副作用としてのひどい便秘が
つらいようです。
アローゼン、ラキソベロンなどで
排便コントロールもしなければなりません。


先日、父がこんなことを言っていました。
梅干しくらいの小さな猫の顔が
たくさん自分の周りに出てくる
というのです。
これを聞いて妹と
「ずいぶんかわいい幻覚だね」と
笑ってしまいましたが
少し前までは、寝ていたら家にいる
子猫がベッドのそばを
走って横切ったという話をしていて
それは夢だったといっていましたが
今回のネコの顔は
食事中でも現れるというので
やはり、幻覚なのでしょうか。


虫が見えるという幻覚のことは
よく聞きますが
父の好きなネコの幻覚なら
よかったね、みたいな気持ちです。


病院に入院してからは
自己管理ではないペインコントロールが
できるようになって
少し、食事も自宅にいる時よりかすすみ
若干、体重も増えたと言っていました。


日々、どうなっていくのか
わかりませんが
苦しむことのないよう
かわいい幻覚のままで
過ごせるように思います。


記録として記事にのこします。


今日も祈りのうちに